認知症になった場合のリスク


認知症と聞くと、自身や配偶者の両親など身近に有病者がいらっしゃらない限り、遠い存在と考える方も多いでしょう。 しかし、日本の認知症の有病率は85歳以上の2人に1人が認知症*1になるといわれています。日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳*2となっているため、とくに平均寿命の⻑い女性においては、男性よりも罹患してしまうリスクが高いといえます。 こうした統計を重ねると日本人にとって、とても身近な病気であることが分かります。 今回は認知症のリスクについてまとめてみました。

*1(日本における認知症の高齢者人口の将来設計に関する研究 平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 より算出)
*2 2018年 厚生労働省調べ

認知症を発症した場合の5つのリスク


認知症は、老化による「もの忘れ」とは違い、何らかの病気によって起こる症状や状態の総称です。
こうした認知症の原因になる疾病のおよそ半数はアルツハイマー型認知症です。次に多いのがレビー小体型認知症、そして血管性認知症と続き、これらの代表的な症状としては、認知機能障害や徘徊、妄想などがあげられます。
こうしたご本人の症状以外にも、介護にあたるご家族にはさまざまなリスクが発生します。
代表的なものとして以下の5つがあげられます。

親の認知症 親の認知症

認知症のリスク① 〜生活費や介護費用がおろせない〜


認知症になると判断能力が低下していることから、金融機関は認知症であることを知ると口座を凍結してしまいます。

認知症のリスク② 〜まとまったお金の準備に実家が売却できない〜


売買契約を締結するには、売り主・買い主の意思表示が必要ですが、認知症のため意思表示ができません。

認知症のリスク③ 〜相続でもめる〜


親の財産を兄弟で分割する場合、介護していた人が多くもらえるということはありません。

認知症のリスク④ 〜財産の全容が把握できない〜


両親が認知症になると、判断能力・記憶力の低下から自分の財産管理が難しい状態になります。また、被害妄想も強くなり、財産を取られたくない気持ちが働くために、口座情報・通帳・印鑑・保険加入情報を隠してしまい、そのまま忘れてしまうということも少なくありません。

認知症のリスク⑤ 〜遺言書が作成できない〜


相続財産が、実家(土地)と少しの現金のみというケースは多くありますが、この場合相続財産を平等に引き継ぐことが難しくなります。平等にするのであれば、実家を売却してすべての財産を現金化してから分割する必要があります。
ただし、実家を売却してしまうと上記のケースでは同居していた子供の住む家がなくなってしまいます。これを回避するには、遺言書を作成しておくことが必要となりますが、認知症になってしまうと遺言書を作成することはできません。

両親が認知症になる前に決めておくべきこと


認知症の症状以外にさまざまなリスクがあることは、ご理解いただけたと思います。
こうした認知症に関連するリスクは、以下のようにあらかじめご両親などと決めておくのがよいでしょう。

項目

決めておくべきこと

介護

認知症になったら誰かが同居するのか、介護施設に入るか

日々の生活費

認知症になった後の年金や貯蓄などの程度生活費にあててよいか

財産管理

任意後見人か家族信託かどの手法で管理するか

高額費用の支払い

介護施設等の高額な費用は準備があるのか、自宅を売却して準備するか

贈与

孫の教育費用や、住宅取得の補助などするかどうか

相続対策

相続税を節税する対策をするかどうか

相続

相続財産を誰にどれだけ残すか、遺言は作成するのか

任意後見人と家族信託


後見人制度とは認知症などのように判断能力が低下して法的判断ができない方の財産を守るための制度です。

両親(委託者)が元気なうちに子供を受託者、両親自身を受益者として信託契約を結んでおきます。万が一、判断能力が低下した場合でも、信託の実行によって子供が両親に代わって生活費を支出したり、両親の財産を処分し、介護・生活費用にあてることができます。

その他行っておきたいこと


認知症は誰にでも起こりうるということ、認知症になったときにどんなことが起こるのかを、ご両親や家族で共有し話し合うことが重要です。 ご両親には「私は大丈夫」というプライドを持っている方も多いと思います。 家族にとっても話しづらい話題ですが、認知症になってからでは対処しようがありません。 65歳を超えると6人に1人、85歳を超えたら半数が認知症になる可能性があるといった年齢を基準にご家族でお話ししてみてもよいでしょう。 また、認知症や介護に関してかかる医療費などについては、ユニヴァ共済の「介護認知症共済」でも備えることができます。ご家族のお話し合いの中で、介護などの医療費への備えとしてご検討いただければ幸いです。

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画像参照:アセットキャンパス 親が認知症になる前に決めておくべき財産・相続のこと
(https://asset-campus-oag.com/dementia-inheritance-2849#1-1%E8%A6%AA)